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【SS】女薬剤師「ちょっとー、お薬手帳はどうしたのよ!」

1: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:11:12.590 ID:ylNRc+6d0

男「ほい、処方箋」

女薬剤師「お薬手帳は?」

男「あれ? ないや」

女薬剤師「ちょっとー、お薬手帳はどうしたのよ!」

男「忘れちゃって……」

女薬剤師「なにやってんのよ、このドジ!」

男「忘れちまったんだからしょーがねーだろ!」

女薬剤師「フン!」プイッ

男「フン!」プイッ

3: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:15:04.249 ID:ylNRc+6d0

……

女薬剤師「今日はお薬手帳は?」

男「あ……また忘れた」

女薬剤師「なんで忘れるのよー!」

男「ついうっかりしてたんだよ!」

女薬剤師「うっかりがすぎんのよ! これで何度目よ!」

男「うっせーな! だいたいあんな手帳がなんの役に立つんだよ!」

女薬剤師「なんですってー!」

ギャーギャー!

老人「これこれ、ケンカはよしなさい、二人とも」

女薬剤師「あ……」

男「薬剤師の爺さん……」

 

4: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:18:19.013 ID:ylNRc+6d0

老人「お薬手帳は、とても大切なものなんじゃよ」

男「どうして?」

老人「薬には同時に飲んではいけない組み合わせというもんがある」

老人「お薬手帳があれば、そういう危ない組み合わせで処方してしまうのを防げる」

老人「それに、災害時などの緊急時に薬がどうしても欲しい時」

老人「お薬手帳があれば、その情報を正確に伝えることができる」

老人「自分が飲んでる薬の名前・分量をいちいち記憶してる人なんてそうはおらんじゃろからな」

男「なるほど……」

 

6: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:19:06.675 ID:lJliStM90
お薬手帳ダイマスレ

 

9: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:19:29.517 ID:VbESznGD0
持病あるやつは大事だよな

 

10: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:21:35.090 ID:ylNRc+6d0

老人「つまりじゃな、この子がこれだけ口を酸っぱくしてお薬手帳についていうのは」

老人「それだけあんたのことを心配してるからなんじゃよ」

男「え……」

女薬剤師「ち、ちがっ……! そんなことありませんってば!」

男「……」カァァ…

女薬剤師「……」カァァ…

老人「若いというのはええのう~! ほっほっほ……」

 

12: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:22:27.555 ID:J3X/gdSk0
精神科通ってるから飲んでる薬は多いけど全部覚えてるけど向精神薬とかコンサータだから災害時はお薬手帳とか無いと処方してもらえんかな

 

14: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:24:34.424 ID:ylNRc+6d0

……

男「ほい、処方箋」

女薬剤師「じゃあ、席に座って待ってて」

男「それと……お薬手帳」

女薬剤師「今日は……忘れなかったんだ」

男「まぁな」

女薬剤師「偉いじゃない」

男「ありがとよ」

 

15: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:27:14.281 ID:ylNRc+6d0

男「だけど勘違いすんなよな!」

男「別にお前に言われたからーとかじゃなくて、あくまで俺のためだ!」

女薬剤師「なによそれ! せっかく褒めてやったのに!」

男「お前なんかに褒められても嬉しくないっての!」

女薬剤師「んもう、口が減らないんだから!」

男「フン!」プイッ

女薬剤師「フン!」プイッ

 

17: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:30:08.327 ID:ylNRc+6d0

ある日――

女薬剤師「いらっしゃいませー」

中年男「……」

女薬剤師「お薬手帳はございますか?」

中年男「……」ピクッ

男(俺の時と全然態度違うじゃねえか、あの猫かぶり女め)

 

18: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:33:21.602 ID:ylNRc+6d0

中年男「ねえよ」

女薬剤師「そうですか。では次回は必ず……」

中年男「いつもいつも手帳手帳うっせーんだよ!」

中年男「マニュアルにあるからそういってんのか? あぁん?」

女薬剤師「いえ、必要なことですので……」

中年男「俺には必要ねーんだよ! 余計なやり取りなんかせずとっとと薬出せばいいんだよ! こっちは忙しいんだ!」

女薬剤師「……!」

男「やめときな」

 

19: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:35:31.504 ID:ylNRc+6d0

中年男「なんだお前……」

男「お薬手帳があれば、危険な飲み合わせを防げるし、緊急時にも役に立つんだよ」

男「つまり、そいつはあんたを心配して、お薬手帳の確認をしてるんだ」

男「そういう心を理解しようともせず、怒鳴り散らすってのはいい大人としてどうなんだ?」

中年男「くっ……すまなかったな、姉ちゃん」

女薬剤師「いえ……」

 

20: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:36:05.315 ID:CvGkNv85r
やるじゃん

 

21: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:38:24.991 ID:ylNRc+6d0

女薬剤師「はい、お薬」

男「どうも」

女薬剤師「あ、あと……」

男「?」

女薬剤師「さっきは……ありがと」ボソッ

男「よ、よせやい! あそこで揉められても、俺までとばっちり来ると思ったから……」アタフタ

 

22: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:41:33.586 ID:ylNRc+6d0

―会社―

男「お呼びでしょうか」

上司「今度、ウチの社も医薬業界に向けた商品を出そうということになってね」

男「はぁ」

上司「なにか……月末までに企画の一つも出してもらえんか」

男「分かりました……自信はありませんが、やってみます」

 

23: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:43:49.723 ID:ylNRc+6d0

―薬局―

女薬剤師「お、今日もちゃんとお薬手帳を持ってきたわね」

男「まぁな」

男「ところで……折り入って相談があるんだが」

女薬剤師「なによ。あらたまっちゃって」

男「俺が勤めてる会社でさ……」

 

26: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:46:07.034 ID:ylNRc+6d0

老人「……ん?」

女薬剤師「こういうのはどう?」

男「うん、悪くないな!」

女薬剤師「でしょ!」

キャッキャッ

老人(ほっほっほ、ワシは退散するかのう)

 

27: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:49:10.175 ID:ylNRc+6d0

―会社―

男「課長、できました」

上司「ほう」

男「これが企画書となります」

男「私が企画する新商品の名はずばり……」

≪お薬手帳忘れさせないマシン≫

上司「おおっ……!」

 

28: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:52:11.558 ID:ylNRc+6d0

男「……お薬手帳を忘れて外に出ようとすると」

マシン「ワスレルナー、ワスレルナー」

男「と、すかさず呼びかけてくれるのです」

男「このマシンが普及すれば、日本の医療事情は著しく改善されること間違いなしです!」

オオッ…

「素晴らしい……」

「なんて画期的な発明だ!」

「これはヒットするぞ! すぐ商品化しよう!」

 

30: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:53:26.290 ID:lJliStM90
なんかわろた

 

31: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:53:41.143 ID:TaC+qmqc0
ふたりして出したアイデアがそれかよwwww

 

32: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:55:21.166 ID:ylNRc+6d0

≪お薬手帳忘れさせないマシン≫は大ヒット!

ワイワイ…

店員A「押さないで下さい! 押さないで下さい!」

店員B「行列の最後尾はこちらとなっております!」

店員C「整理券の配布はすでに終了しておりまーす!」

ガヤガヤ…

 

33: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 18:58:09.745 ID:ylNRc+6d0

―薬局―

女薬剤師「いらっしゃい」

男「よう」

女薬剤師「例のマシン、大ヒットしてるみたいね」

男「ああ、会社でもちょっとしたヒーロー扱いだ。これもお前のおかげだ。ありがとう」

女薬剤師「バカね……私はアイディアのとっかかりを出しただけ」

女薬剤師「商品化まで頑張ったのはあんたじゃない」

男「そのとっかかりを出すってのが一番大変なんだよ、こういうのは」

 

34: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:01:00.431 ID:ylNRc+6d0

女薬剤師「それで? 今日はちゃんとお薬手帳持ってきたの?」

男「もちろんだとも」

男「企画しといてなんだけど、俺にはあのマシンはいらないな」

男「なんたって、マシンより怖い女がいるからさ」

女薬剤師「なんですってー!」

アハハハハ… アハハハハ…

 

35: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:05:06.457 ID:ylNRc+6d0

……

女薬剤師「いらっしゃ……」

男「……」

女薬剤師「なんだ、あんたか。今日はどうしたの?」

男「……」

男「実はさ、俺の主治医さんが、だいぶ数値よくなってきたからもう薬は出さないって」

女薬剤師「そう……なんだ」

男「……」

女薬剤師「……」

女薬剤師「よかったじゃない! 健康になって! 元気出しなさいよ!」

男「そ、そうだよな。いいことだもんな! 元気出さなきゃな!」

 

36: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:07:06.522 ID:ylNRc+6d0

男「じゃ、じゃあな……」

女薬剤師「うん……」

男「……」

女薬剤師「……」

老人(ふむ……)

 

37: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:10:10.754 ID:ylNRc+6d0

―会社―

上司「どうだろうか」

上司「そろそろまた新しい企画を考えてくれないかね? 上の連中も君に期待してるんだ」

男「……」

上司「たとえば≪お薬手帳忘れさせないマシン2≫とか……」

男「お薬手帳……」

 

39: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:13:22.542 ID:ylNRc+6d0

男「すみませんが……」

男「今はもう、お薬手帳のことなんか考えたくもないんです」

上司「ええっ!?」

上司「じゃ、じゃあ……一つ飛ばして≪お薬手帳忘れさせないマシン3≫はどうだろう!?」

男「……」

上司「≪お薬手帳忘れさせないマシン4≫……!」

男「失礼します」スタスタ

上司(どうしたというんだ……)

 

40: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:14:38.247 ID:6xh8Jk3Gr
数字だけ増やしてどうする

 

41: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:16:30.615 ID:ylNRc+6d0

ザァァァァ…

男(今日は……雨か)

男(体は健康なのに……薬のおかげで健康になったのに……もう薬は飲まなくていいのに……)

男(なのに……)

男(どうして俺の心は土砂降りなんだ……!)

 

42: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:20:19.735 ID:ylNRc+6d0

ザァァァァァ…

男「……」ビショ…

老人「こんな雨の中、傘もささずにどうしたのかね。風邪をひいてしまうぞ」

男「あ、あなたは……」

老人「どうなさった」

男「俺は……どうしてしまったんでしょう」

男「健康なはずなのに、もう薬はいらないのに、こんなに苦しいんです!」

老人「君はもうその答えを知ってるんじゃないかね?」

男「!」

老人「君に必要なのは、ほんの少しの勇気だけじゃ」

 

44: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:22:24.615 ID:ylNRc+6d0

老人「ワシのような年寄りにできるのは、背中を押すことだけ……あとは君次第じゃ」

男「……」

老人「行きなさい」

男「はいっ!」

バシャバシャバシャ…

…………

……

 

45: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:25:15.376 ID:ylNRc+6d0

―薬局―

女薬剤師「……」

ガラッ

男「よう」

女薬剤師「あ、あんたは! どうしたの、そんなびしょ濡れで!」

男「お薬手帳を持ってきたんだ」

女薬剤師「お薬手帳? あんた、今薬は飲んでないはず……」

 

47: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:28:20.734 ID:ylNRc+6d0

男「胸が苦しいんだ」

女薬剤師「え……?」

男「体は健康なのに、お前に会える理由がなくなったというだけで、胸が苦しくて仕方ないんだ」

女薬剤師「……!」

男「だから、お前に治して欲しくてお薬手帳を持ってきた」

男「ここに、俺に一番効く薬を記入してくれぇ!」

女薬剤師「……分かったわ」

 

48: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:28:21.347 ID:ge0OtiHjd
お薬手帳持っていくと薬代が少し安くなるぞ

 

49: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:32:05.268 ID:ylNRc+6d0

女薬剤師「お待たせ」

男「……」

『私』

女薬剤師「……どう?」

男「最高の薬をありがとう」

男「好きだっ!!!」

女薬剤師「私も!」

ギュッ…

 

51: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:34:12.650 ID:ylNRc+6d0

男「最高の薬を手に入れたんだ」

男「これからは体に気をつけて、なるべく薬を飲まなくていいようにしないとな」

女薬剤師「うん、私もそうする」

老人「なあに、おぬしらなら大丈夫じゃろ」

女薬剤師「……え?」

男「どうしてです?」

 

53: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:37:19.223 ID:ylNRc+6d0

老人「だって告白にお薬手帳を使うようなバカップルに、つける薬はないじゃろうて!」

男「……」ポッ

女薬剤師「……」ポッ

老人「若いというのはええのう~! ほっほっほ……」

―おわり―

 

52: 名無しのフリータイム! 2020/07/05(日) 19:34:23.346 ID:itrbF82ba
この手帳を今後も見せていかないとダメなのか

 

引用元: ・女薬剤師「ちょっとー、お薬手帳はどうしたのよ!」男「忘れたんだからしょーがねーだろ!」

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